22の分科会に分かれ、計170本をこすレポートが報告され、討議されました。京都からはなんと34本ものレポートが報告されました。『歴史地理教育』11月増刊号に、各分科会でどんな報告や討論があったか、まとめられます。
昨年の神奈川大会に参加した若手・学生スタッフでYouth Salonを立ち上げました。この9月には10回目の学習会を持ちます。埼玉にもYouth Salonができました。
歴教協に限りませんが、若手会員が増えないのはなぜでしょうか。若い人の要望に答えられていないからです。要望とは何か。「参加しやすさ」「広報」「活用のしやすさ」の3つです。
◆「参加しやすさ」とは…思いの強い人の意見を聞く場ではなく、議論ができる環境を大事にしてほしいのです。
◆「広報」とは…歴教協という組織自体を知らない人が多いのです。現在の情報ツールはSNS。簡単にでも告知をして、動員することが必要です。若い人同士の個人のつながりは強いのです。
◆「活動のしやすさ」…学校現場は多忙を極め、教材研究が二の次になっている現状があります。だからこそ、「明日すぐに使えるような」実践に学びたいし、授業に限らず、日々の教育活動に関わる実践を知りたいのです。そこを入り口にして、彼ら彼女らの要望を聞いていく。その内容とこれまでの歴教協の活動を並行していく形で進めていくことが求められています。
いま大切なことは、「きっかけ作り」と「若い人の意見を聞くこと」です。
神奈川歴教協では昨年の大会を「きっかけ」に若い学生や教員とのつながりを持つことが出来ました。活動を通じて、「若い人の意見を聞きながら」大会運営をし、大会後には若い人の意見を聞いてYouth Salonの支援を行っています。主体を若い人にし、それを評価していくことが大事で、周りがしっかりと支援をすることが重要です。
歴史教育は過去の反省を今や未来に活かすものなのですから、同じように歴教協としても新しい形に向けて検討を行っていくべきだと思います。
全国の方々、Youth Salonのような形を広めて頂きたいとも考えていますが、同じような考えを持っている若い人が増えなければ始まりません。若い世代の活動が歴教協を通じて全国規模になるように、ご支援をよろしくお願いします。
以下は、今大会をふりかえってこのHP作成者の私見をまとめたものです(京都歴教協の総括ではありません、念のため)。
「全体会だけ参加したい」「〈地域に学ぶ集い〉には行きたい」という声を大事にしたいと考えました。 一般市民や退職教職員の要望にお答えしたい-ということで、本部と話し合い、京都チケットAとBを作りました。Aは全体会だけ、Bは地域に学ぶ集いだけの参加に扉を開こうというチケットです。どちらもワンコイン、各500円としました。おかげさまでたくさんの方々に買っていただけました。行けないけどカンパのつもりで、買ってくださった方もおられました。感謝、感謝です。
プレコースを3つ、大会後の現地見学を8つ、企画しました。企画の中心になったのは、京都と滋賀のベテラン会員。地域に暮らし、地域に根ざした実践や研究をしているみなさんなので、一般のどんなツアーにもない歴教協ならではのコース設定ができました。
これを参加者だけの経験で終わりにするのはもったいない。そこで企画や案内係を務めた会員が筆をふるいました。名づけて『京と滋賀ヒストリップ』。ネーミングは、「ヒストリー」+「トリップ」。世に「京都本」はあまたあれど、こんなユニークなガイドブック、ほかにありません。コラムも入れて87ページ。わかりやすい地図とカラフルな写真を散りばめ、読みやすくコンパクト。ご自分で、京都&滋賀を散策される際にも活用できます。修学旅行や校外学習の新しい視点がつかめます。大会中にたくさん購入していただきましたが、あとちょっと残っています。「お問い合わせ」のページからお申し込みください。1冊1000円でお送りします(送料別)。書店では販売しておりません。
「若い先生にも来てほしい」「市民のみなさんにも知らせたい」-そんな思いでいろいろやってみました。
後援をしていただけるところを増やそうとがんばりました。南丹市、与謝野町、大山崎町、八幡市、宇治市の、市町や各教育委員会が後援をしてくださいました。
マスメディアにも後援や記事の掲載をお願いしに行きました。朝日新聞、京都新聞、京都民報が記事を掲載してくださいました(左上は朝日新聞7月28日朝刊の地方版、左下は京都民報7月29日号です)。
ボランティアをお願いしたところ、たくさんの方々が速報係や受付、案内係などで大活躍していただきました。21号まで速報が出たのもそのおかげです。また学生スタッフもさまざまな分野で奮闘していただきました。本当にありがとうございました。
そして、歴教協をまったくご存じない現場の先生方に、どういう手段でお知らせすればよいのか。悩みました。昨年10月には京都歴教協のHPを立ち上げました。大会7月上旬には、京都市内の公立の小中学校と府内の公立高校の校長先生・社会科主任さんに宛てて、ご挨拶文を付けて大会要項をお送りしました。もちろん、各職場の同僚への声かけや地域での自主的なサークル活動を続けておられる仲間のみなさんの地道な努力が根底にあることを忘れてはいけません。全体会で若者ステージを設けたのも、まずは若者の率直な声を聞こう、そこから歴教協のあり方を再考しようという思いからでした。
歴教協の真髄は、やっぱり分科会です。せっかく京都で大会があるなら、事務的な作業が山ほどあるけど、レポート参加しないと面白くないじゃないですか。レポート報告をして、いろいろ意見や注文、きびしい批判をいただく。これが民間研の値打ちです。というわけで呼びかけたら、なんとなんと41本ものレポートとなりました。
発表の場を待っていたような、長年の取組もありました。教員が退職後も地域の子どもたちの願いにこたえようとする取組から、若い先生の試行錯誤が一杯のレポートまで。このHPの6月とか7月のページには、その一部を紹介しております。